2023/3/9 ヴァイオリン蘇生

非日記

実は私、中学2年の時にヴァイオリンを辞めています。紆余曲折ありまして大学3年の時に再開したのですが、大人用サイズのヴァイオリンを持ってませんでした。中学2年だと、3/4サイズのヴァイオリンで何とかなっていたのです。

再開するにあたって、参加したのはKing Crimsonのコピーバンドだったんで、エレキヴァイオリンを買いました。たしか、月々1万円の10回払いで。大人用サイズのヴァイオリンは持ってないのに、エレキヴァイオリンを持っているという状態に陥ります。

その後、更に紆余曲折があり、プロの方たちと演奏活動をするようになりました。そろそろアコースティックヴァイオリンも持たなければ、と思い、大人用サイズのアコースティックヴァイオリンを後輩から借りました。

しばらく借り物で凌いでいたのですが、さすがにそろそろ自分の物も持とうと購入したのが写真のアコースティックヴァイオリン。2000~2001年頃に買ったはず。。日本製のヴァイオリンで1999年製造。新作ヴァイオリンですね。その頃は知識も財力も無かったので、試奏しまくって予算ギリギリのものを買った記憶があります。

このヴァイオリン(以下1999君)はしばらく使っていたのですが、段々と音に不満を感じ始め、他のヴァイオリンに乗り換えたりしていました。1999君はレコーディングでヴァイオリンの音を重ねる時に使う程度になってしまいます。

2021年にソロアルバム「一人天下」をリリースしましたが、その時のレコーディングで久々に1999君を弾きましたが、音が随分とボンヤリとしてしまい、音にハリが無くなってしまっていたのでございます。

ヴァイオリンは木でできていますが、新作楽器は組みあがってから変形が続きます。今まで倉庫でおとなーしくしていた木達が、切られて削られて接着されて、弦をはられて圧力をかけられ、あちこち連れまわされて温度や湿度が上がったり下がったりする環境に置かれ、更には弓で上からゴシゴシされるわけですから当たり前ですね。

多くの新作楽器はボディが膨らむ方向に変形するようです。そうすると何が起こるでしょう。

ヴァイオリンの音を生成するための重要な部品の一つとして「魂柱(こんちゅう)」があります。ヴァイオリンの表板と裏板の間に立っている細い木の棒で、楽器の内部にあります。

↓おわかりだろうか。。。

弦の振動は駒(こま)から表板に伝わります。とりあえずこれで楽器は鳴るわけですが、表板と裏板を魂柱で繋げることで、良い音が鳴るのです。不思議ですね~。ちなみにこの魂柱や駒は「立っているだけ」で接着されていません。なので、魂柱や駒の位置を微調整することで、楽器の音色をある程度コントロールできるのです。

さて、話を戻して、楽器が膨らむ方向に変形すると、魂柱の長さが足りなくなりグラグラ状態になってしまうのです。そうすると、音がモワモワしたりハリがなくなったりします。1999君はこの状態だったのですね。

初めて自分で買ったアコースティックヴァイオリンをこのままにしておくのは心が痛むので、近所の腕が確かなヴァイオリン工房さんに数週間お預けして、魂柱交換・駒交換・指板調整・ペグ調整と各種バランス調整をして頂きました。

先日、1999君が戻ってきたのですが、やぁ~見違えるような鳴りになりました。嬉しい! これならメイン楽器に何かがあってもサブとしてお仕事できそうです。

1999君には先日ご紹介したラーセンの弦「イルカノーネ・ソリスト」を張ってみました。まだ弦が安定していないので、こちらの感想はまた後日に。

お疲れやま~。おしまい。

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